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お断りしました。

接着歯学会認医やインプラント学会の専門医である事から、歯科関係の色々な団体から講演依頼があります。30歳代、40歳代の頃は、日本や世界のあちこちに講演に行くのが嬉しくて(認められている感じがしていたのだと思います)全てお引き受けして、意気揚々と出かけていって自慢げに話をしていました。今から思えば、若造のくせに偉そうに話していた事が「恥ずかしい」と感じたりしますが、精一杯やってはいました。

先日大阪の歯科医師の、とある研究会から3時間の講演依頼がありました。熟慮したのですが、お断りする事にしました。

私の最近の価値観は「省く」方向に向かっています。禅の思想のように「究極まで(無駄を)省く」とどこに行きつくか?という所に興味があります。自分の経験からはどんどん楽に、幸せになって行くと確信しております。

ただ、アベノミクスの成功で好景気が続く日本は、世の中の価値観が基本的にバブル時代と何ら変わらず、いまだに経済優先でカネとモノが重要視されているように見えます。(次の世代、就職氷河期経験者が社会の中核になってくると変化が起こるのではと思うのですが。)ネット上でZOZOタウンのニュースを見ない日が無いですが、いまだに経済的に成功する事が善なんですかね。

現在の私が一般的な歯医者さん相手に「断捨離しましょう。やめましょう。減らしましょう。ほとんどは必要がないのです。」といった価値観のもとに講演しても「???」となるだけだと思うので、キッパリとお断りした次第です。

歯科医師向けであれ、市民講座であれ、今後は講演依頼の7割は断ろうと思っています。
市民の皆さんにお話ししたい事はこのブログにせっせと書いていますので、しっかり読んで頂ければ充分伝わるはずです。

その一方、岡山大学歯学部の講師をしていますので、歯科医師の卵の若者達に講義をするのですが、それだけは絶対に継続したいと思っています。若い人達の方が私の価値観に近いと思うので、どうしても伝えたい事があるのです。

岡山大学での講義の度に感じるのですが、国立大学である岡山大学の学生は本当に真面目です。先輩として誇りに思っていますよ。他の講演を断ってエネルギーを蓄えて、若くて真面目な後輩のあなた達に「本当の歯科医療とは何か」を精一杯伝えますからね。

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