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「人生において無駄な経験など無い」?

京都から通院してくれている筑波大学理系出身の才女がいます。彼女は理系なのに外国語もネイティヴ並みにペラペラ。「努力できる人はいくらでも努力出来ちゃうもんだ。」と驚きを隠せません。
ちなみに、筑波大学の評価は上昇の一途(世界大学ランキング日本版で第9位)で、21位の岡山大学出身の私は「岡大の後輩頑張ってくれ!」って感じですね。

彼女は英保歯科のお客様としてだけでなく、同じ理系の人間として私を参考にしてくれているようで、時々私に会って話をしたいと思ってくれるそうです。光栄な事です。

で、その彼女ですが、筑波大学では試験管を振るようなリアルな生物学の研究をしていたのですが、ご主人や子供さんの事情で転居となり、現在の京都の大学ではパソコンを使ってのデータ解析がメインの業務になっているそうです。努力家の彼女ですから、聞けばそのデータ解析の知識と技術もたった1年で専門家が舌を巻くレベルに達しているようです。凄いね!

彼女:「英保先生、私は最近パソコンを相手に仕事をしているのですが、以前のように実際に生物を相手に研究がしたいと思ってモチベーションが下がって悩んでいるんです。どうしましょう?」

私:「よく『人生において無駄な経験など無い』と言われますが、個人的には、人生には『将来に繋がる経験』と、『全く意味を為さない経験』と2種類があると思っています。私は場末の病院で2年ほど勤務した事があるのですが、『世の中には色々な人がいると知れて良い経験だった。』とは全く思えず、今から思えばつまらない人達の価値観に合わせながら、2年という貴重な時間を浪費しただけだったような気がしています。」

彼女:「私も過去に一般企業に勤めていた時にそのような経験をしたのでわかります。」

私:「一方で先生(彼女は主婦ですが大学の先生でもあります)の現在のキャリアは次の人生のステージに絶対に役に立ちますよ。近い将来に生物学的な研究をする状況に戻る時、今学んでいるような質の高い統計学的な知識やスキルがあれば、研究モデルの設計や研究結果の解析の際に、まさに『鬼に金棒』になりますよ。今やっている事は『将来に繋がる経験』だと100%保証するから、精一杯頑張ると良いよ。」

彼女:「何だかやる気が出て来ました。英保先生、有難う御座います。お話できて良かったです!」


今から40年前、私が岡山大学の学生だった頃、大阪歯科大学の学生だった兄が「大阪歯科大学の先生が『下宿でぼーっとしているくらいだったらミナミでも出て行って道行く人を眺めておいた方がずっと勉強になる』と言っていた。」と教えてくれた事があります。私はその時「ふーん。そんなもんなのか。・・・。」と思った事を覚えています。これについて皆さんはどう思われますか?

あれから40年の人生経験を積んで来ましたが、私は「下宿から出て行ってミナミの三角公園に座って道行く人を眺める」という行動は、ほぼ、時間の無駄だとアドバイスすると思います。色々な人がいる事を知るという目的なら居酒屋かガソリンスタンドでアルバイトする方が遥かに効率的でしょう。

「下宿でスマホを眺めているくらいだったら外に出て行って、一人で海や空や緑を眺めながら色々な思考を巡らす方がずっと良い」とアドバイスするかな。

将来ある若い方には「その時間は次の人生にポジティブに繋がるか?」を考えて、人生の岐路を自分自身の価値観と自分自身の意志で選択して頂きたいと思います。

世の中の速度が速くなっているので、ネガティブな環境でモタモタ無駄な事をしている時間的余裕などは、若い人にも、私にも無いはずです。

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