カテゴリー別アーカイブ: 院長日記

砂糖 vs たばこ

今日、かつて米軍の負傷兵救護部隊のヘッドだった、退役軍人の Dean さんとお話をしていました。医学の知識が非常に豊富な方です。私も彼も甘いものが大好きー医療関連の軍人と歯科医師ですよ!-という話になって、大笑いしていたのですが、Dean さん曰く、「米国では砂糖が体に与える害はタバコと同じくらい強烈であるという報告がなされています。」との事。
日本ではそこまではっきりとは言っていませんが、きっと本当にそうなのだろうなと思った次第です。

白十字のワッフルをどうぞ。

岡山と言えば「白十字のワッフル」と思うのは古い人間の証拠かな?
学生時代に岡山一番街(駅地下の商店街)にある白十字の前を通ると、その場で焼いているワッフルの良い匂いがしてきたものです。
今でも岡山に行くと時々お土産にこのワッフルを買って帰ります。(今は工場で焼いて袋詰めになっています。ちょっと残念。)

ところで、我が家の子供は4人とも5歳までは、ほとんど甘いものを食べさせずに育てました。5歳まで、特に3歳まで(3歳までに神経系が70%完成してしまうので)に頭に刷り込まれた味の好みが一生亡霊のように就いて回る事は、何度もお話していますね。

我が家の子供たち「このワッフルお父さんにあげる。ちょっとは美味しいんだけど、甘すぎて気持ちが悪いから、少しで充分。日曜日にお母さんに((あまり甘くない))ケーキを焼いてもらって食べるから。」と言ってきます。白十字のワッフルでも気を引く事が出来なかったか。残念。でも食育に関しては大成功ですよね。

小学校に上がったら甘いものを何でも自由に食べさせていますが、4人とも喜んで食べるのは果物程度で、精製白砂糖系の甘い物はあまり欲しがりませんね。アイスを喜んで食べるのは1か月に1回位でしょうか。

一方、私と妻は子供の頃に「砂糖漬け」にされていた昭和世代ですので・・・。読者の皆さんと同じで、苦労しています。

さて、心臓のお医者様が危惧する17の事(英語)という記事があります。心疾患の原因となり得る17の項目です。
17 Things You’re Doing That Would Horrify Your Cardiologist
その中に
Ignoring gum health歯肉の健康状態を気にかけていない
Shoveling in sugary treats砂糖入りのお菓子をガツガツ食べる)という2つの項目があります。

という事は、「3歳までに甘いものを与えて一生甘いもの好きにしてしまうと、将来虫歯だけでなく、心臓疾患になるかも?」と言えるかも。

美味しそうなクリーム入りワッフルの写真で釣っておいて「後味の悪い」「中身」で、英保先生って意地悪だよね。

国際接着歯科シンポジウム

連休の最終日は朝7時前のバスに乗って岡山に向かいました。

岡山大学で開催される「国際接着歯科シンポジウム」に参加するためです。

母校の岡山大学には13年もおりましたので、岡山はまさに「第二の故郷」です。休日にも学会や講演会に参加する事がよくあるのですが、行楽シーズンの天気の良い日に学会場にカンヅメになって勉強する時、私たちは青空を見上げながら「絶好の講演会日和ですね。」と自虐的に言ったりします。

会場はJホール。素敵な所でした。

 

司会進行、講演など、全てが英語で行われました。参加者の大半は日本人だったのに、です。すごい時代になったものです。そして誰もが英語を自由自在に操っていました。歯学部のような理科系の研究室には海外からの留学生がたくさんいるので、英語が公用語になっているとの事です。凄いね!

基調講演はベルギーからお越しになった接着歯科の大家でした。

日本と欧州の接着歯科の違いなどを理解できてとても良い勉強になりました。

 

 

長嶋監督 そして 西城秀樹さん

長嶋選手の活躍は巨人の星という漫画で知った感じなのですが、郷ひろみさんや西城秀樹さんは私が小学校の頃、テレビで見て「カッコイイな」と思っていました。

お二人とも「サウナ風呂で頑張りすぎて」脳梗塞で倒れたという噂ですね。
秀樹さんは脳梗塞が再発して、苦労しておられたようです。そして、残念なことなってしまいまたね。

「芸能人は歯が命」という認識は、今の若いアイドルには浸透しているようで、皆が上手に歯を見せてスマイルして写真に写っています。

一方、私より少し上の世代の芸能人はどうだったんでしょう?タバコを吸ってウイスキーなどの強いお酒を飲めるのがカッコイイと思われていた世代の事です。
きっと歯のケアーなどは今の若い人より「おろそか」、というより「正しい知識が無い」といった感じだったのではと想像してしまいます。「痛くなった時だけ歯医者に行く」時代でしたから。

秀樹さんの担当の医師は脳梗塞の再発を、高度な医療で食い止めようとされておられたと思いますが、秀樹さんのお口の中お状態はどうだったのでしょうか?

歯周病のコントロールができていたのだろうか・・・?と思ってしまいます。

学校健診の意義

小学校の歯科健診の結果、「虫歯あり」と勧告された6年生の男の子とお母さんがお見えになりました。

最近けやき台に引っ越して来られて、英保歯科は「近所だから」という理由で来て下さったそうです。ようこそ英保歯科へ。

今まで虫歯になった事がないので、ほとんど歯医者に行った事がないのに、今回は虫歯を指摘されて不思議だということでした。

虫歯に関しては、Coという状態でしたので心配ないのですが、全ての歯がステージ4の歯垢でベッタリと覆われており、出っ歯の傾向もあったので、お口の中の写真を数枚撮影させて頂いて説明させて頂きました。

お二人とも、最初はけげんそうな感じで「学校で指摘された虫歯に関しては経過観察で良いという事なのに、一体何の説明をされるのだろう」といった雰囲気でしたが、予防歯科という概念についてお話しし、学校健診というものは「必要最小限のスクリーニングで、歯並びなどは非常に問題が大きい時しか指摘しない」事や「英保歯科はワンランクもツーランクも上の健康レベルを目指している」事などを説明しました。

そして、「家庭のリーダーである母親の価値観や考え方によって家族の健康レベルは変わってきます。よろしければ予防歯科治療を受けて下さい。」という言葉で説明を終わらせて頂きました。

お帰りになる時には、先ほどのけげんそうなお顔ではなくて、今まで考えた事も無かった、「何か」に気が付かれた様子でした。そして、歯科衛生士の先生のご予約をお取りになって帰られたようです。聡明な方ですね!

また一家族、少なくとも母親と子供の人生を、よい方向に変えることができたかも知れないと思うと、「頑張って写真を撮って、頑張って説明して良かったな。」と感じる事ができました。

ますます頑張ろうと思いました。

 

のどかな日曜日

明日は岡山で開催される接着歯科の学会に行くので、今日は家族サービスの予定です。

今日は第一日曜日なので、三田市の風車の丘ではラジコンボート愛好家の皆さんが日頃コツコツと作製した愛艇を持ち寄って楽しんでおられます。

今日も息子たちのリクエストで見学に行ってきました。英保歯科のお客様のお一人がお見えになっていて、息子たちに操縦をさせて下さいました。子供たちは大喜び。

オシャレなコーヒー屋さんや焼き肉、焼き鳥などの屋台が出ていて、正直「こんなに沢山の屋台が出ているけど、そんなに多くの人が来るのかな?」と思ってしまいますが、活気が出るのは良い事だと思います。明るく楽しい雰囲気も前向きな気持ちにさせてくれますね。

音楽はいいよね。

今日は土曜日。朝8時から3時まで途切れる事なくお客様がお見えになって、とても忙しい一日でした。

家に帰ってきた私の顔が疲れ果てていたのでしょうか?家族が「お父さん、夕食に出かけてみましょうか?」と誘ってくれて、ショッピングモールのレストランに行ってきました。

本屋さんの近くを通りかかった時に、懐かしい音楽が聞こえてきて、珍しく妻と娘がそのCDを欲しいと言い出しました。

私は角松敏生という人のファンだったので、あまりこういったポップは聞いていなかったのですが、彼女達がCDを欲しがるなんて珍しい事なのでプレゼントしてあげました。皆さんのお好きな曲は入っていますか?

好きな音楽を聞いて少しでもリラックスしてくれたらと思います。

歯根嚢胞を 3Di 根管治療で治療

咬み合わせが悪く、奥歯しか咬んでいないお客様。写真で犬歯から前の方が咬んでいないのがわかりますかね。
当然奥歯ばかり負担が大きく、壊れて虫歯になったりして、右下の6番も大昔に神経を取ってもらったそうです。

1年半位前に、その部分の歯肉がひどく腫れて英保歯科に来院されました。
レントゲン検査で根っこの先に大きな病巣があるのが判明。

歯根嚢胞という病巣で、通常は「歯を抜いて、嚢胞摘出手術をする。後は義歯かインプラントを入れる」という治療方針になります。
英保歯科で行っている 3Di 根管治療のご提案をして、「チャレンジしてみましょう!」という事になり、治療をして銀歯を被せました。
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1年半問題無く経過しているので、本日確認のためにレントゲンを撮ってみたところ、ご覧のように嚢胞が小さくなっています!

これだけの病巣が1年半でここまで縮小すれば上出来です。また何年かして撮影すれば、完全に消失していると思います。
地味に銀歯の被せになっていますが、奥歯の中で最大の歯である6番が今も存在している事は、とてつもなく大きな意味を持っています。

すぐに諦めて、抜歯してインプラントにしなくて良かったですね。自分の歯に優るものはないですからね。

4時間以上、説明だけ。

昨日は小学校の健診に行っていたので、午後の1時からの診察という変則的な営業時間でした。
午後1時から4人のお客様がお見えになりましたが、皆さん英保歯科に初めてお越し頂く方ばかりでした。
チーム英保歯科の受付は「初診の方は、院長からお客様へのインタビューや説明の時間が必要」と心得ておりますので、上手に分散して、時間に余裕のあるアポイントの取り方をしてくれていました。さすがです。

一人目のご婦人は「8年間歯科医院に行った事がないが、4日前に歯が欠けたので来ました。グラグラしている歯もあるし。」という事でした。
痛くなってからの来院ではなく、歯が欠けてすぐに歯医者に来ているのですから、優秀なほうです。
しかし、お口の中は虫歯と重度歯周病で大変な事になっています。
インタビューの結果、ご両親とも歯がほとんどない状態(なの)で、彼女の介護を長年受けている状況だそうです。
彼女に話したい事が山ほどあります。本当に山ほど。多すぎてここでは書ききれませんが、説明をしていると80分もかかりました。(というか、次のお客様が来られたので80分で「受付ストップ」がかかってしまいました。)まずは岡山大学式ブラッシングを指導して変化を見ることにしました。きっと良くなると思います。

二人目と三人目は親子で、お母様は歯周病、7歳のお嬢様はたくさんの虫歯がありました。私がけやき台小学校の校医なので来院したとの事でした。お二人とも痛くもないのに来院されています。優秀なほうです!
お二人にも話したい事が山ほどあります。特に「家庭のリーダー」としてのお母様に。内容は多すぎて、ここでは書ききれません。
色々と説明をしていると・・・。こちらも80分で「受付ストップ」となりました。

最後の方は須磨から来られた女性の産婦人科医でした。今の時代、産婦人科を選んでおられるというだけで、志が高い医師である事がわかりますね。
神戸の大手歯科医院で治療したセラミックの詰め物が1年程度で壊れて、お兄様のお勧めで、何とJRで三田の英保歯科まで来て下さったようです。
「予防ー治療ーメインテナンス」という一連の流れの重要性や、歯科医療の特性など色々な事をお話していると40分かかりました。
本気で三田の英保歯科のファミリーになる気があるかを決めて欲しいといった内容です。ずっと英保歯科に「予防とメインテナンスのため」に通院されている方なら、この意味がわかりますよね。

結局午後は1時から6時前までずーっと「説明だけ」していました。

終業の準備をしながら、「今日は説明ばかりしていたけど、彼女達のこれからの人生を変える事ができるかも知れないから、時間をかけて一生懸命説明するだけの価値があったと思うけど、どう思う?」とスタッフに聞きました。

「そう思います。」と力強い、勇気をくれる一言が帰ってきました。

私の話を熱心に聞いてくれるお客様と、私の哲学を良く理解してくれているスタッフに支えられて幸せです。

ますます頑張ろうと思いました。

悪くなって当たり前?

手の指は全部で10本です。
足の指は全部で10本です。
↑「知ってるわい。英保先生、何や?」

では質問です。歯は全部で何本?
↑「知らんなァ・・・。」

大人の歯は全部で28本です。お医者様でも知らない人が多いよ。(親知らずがちゃんと生えている人は32本です。滅多にないけどね。)

乳歯は全部で20本です。思ったより多いでしょう。16本くらいと思った?

それでは次の質問。

50歳になって、手の指の5本くらいが金属で修理してあるのが当たり前と思う人~?
・・・いませんね。

80歳になったら足の指が7本くらい無くなっていて普通と思う人~?
・・・いませんね。

では、60歳になったら歯の何本かが銀歯やブリッジになっていて「当たり前」と思う人~?
・・・・・・・。ほとんどの人がそうですか・・・。

何で歯だけ年齢と共に金属やプラスチックでツギハギになってゆくのが「当たり前」なの?指では考えられない事なのに。

歯も指と同様に何歳になっても「全部無垢の歯」「1本も修理がしていない」のが「普通」「当たり前」なんですよ。

早く当たり前の事に気が付いて下さい。そして、予防歯科治療を受けましょう。予防の正しい知識と技術を身につけて、実践しましょう。そんなに難しい事ではありません。

それでも、どうしても悪くしてしまった時には、ちゃんとした歯科医師のちゃんとした治療を受けましょう。歯はかけがえのない、神聖なものなのですよ。