補綴(ほてつ)歯科学会参加中@Web

補綴(ほてつ)歯科とは、「失ってしまった歯の構造を補う」という分野です。被せやブリッジやインプラントや入れ歯を入れると言えば解りやすいかも知れません。英保歯科が注力している予防歯科とはまさに対極にある学問です。

「何で予防歯科の英保先生が補綴の勉強をするの?」って思いませんか?

日本の保険の歯科医療は、この「補綴」を庶民にも安価で提供する事を主目的に昭和の前半に出来た社会福祉制度です。その昭和前半の価値観や考え方が何十年もの間に日本国民に「すっかり染み付いて」しまったので、「痛くなってきたから、歯が抜けたから歯医者に行こう、どこに行けば良いかな?友達に聞いてみよう。」なんて会話が2022年の日本でも普通に成り立つ訳です。未だに、保険証を何年も使わなかったら表彰されたりする、訳のわからん価値観の国です。

で、その日本で歯医者になってしまうと、そのような昭和の価値観の負の遺産の事後処理に人生を捧げる事になります。前医が入れた保険の銀歯を外し、その惨状を写真に撮って説明し、自費の根管治療と歯周外科手術とセラミッククラウンを入れる作業を、来る日も来る日もひたすらやっています。自分には何の責任も無いのに事後処理ばかりやらされる人生です。皆さんなら耐えられますか?
「こんな事なら歯医者なんかにならずに、都会で会社勤めでもして、嫁さんの他に彼女でも作って、楽しい人生を送るんだった。」と後悔しても、もう遅い。

ウソです。本音を言うと私、歯医者になって本当に良かった、歯医者は素晴らしい仕事だと思っているんですよ。だって「自分にしかできない事が沢山あって、回りの多くの人から本当に必要とされる人生」が、元気で働いている限りは、ずーっと送れるんですから。

で、そんな訳で、英保先生も休み返上で最新の補綴について学んでいる訳です。

昨日も午後を休診にして夕方まで勉強しました。今日は9時から夕方までパソコンの前に座ってしっかり勉強しますね。皆さんにさせて頂く補綴治療が Up-to-date されたものになるようにベストを尽くします!

Webとのハイブリッド開催のお陰で、良く見える画面で集中して勉強する事ができます。
我が母校、岡山大学の窪木教授が大会長です。パチパチ。

学会から得た情報で時代を先読みすると、口腔内デジタルスキャナーと3Dプリンターを導入する事は避けられないと確信しました。導入は価格と機能のバランスが取れたタイミングとなりますけれども、今からアンテナを張っておきます。導入には600万円以上は覚悟しないといけません。

昨年600万円かけてレントゲン装置を新調したところなので、今は買えません。医院経営も大変でしょ?。運営資金だけでなく設備投資にもお金がいるので贅沢な暮らしは出来ません。

毎晩カーセンサーでベンツやBMWの中古車を検索しては溜息とともに閉じる事を繰り返しておりますが、いつかは軽四を卒業してもう少し安全な車に乗りたいと夢見ています。今は我慢、我慢。

では、勉強を続けます!