接着歯学会 in 新潟

朝5時に起きて7時過ぎの飛行機に乗り、新潟に来ています。私が最も大切にしている学会、日本接着歯学会に参加するためです。2日間しっかりと勉強して、最新の接着歯学を身につけて帰りますね。

 

 

 

先生の歯だったらどうしますか?

※英保歯科では歯科医師が独断でお客様の治療方針を決定することは絶対にありません。お客様の大切な体、お客様のかけがえのない歯なのですから、ご自身で真剣に考えてもらってご自身で決めて頂きたいのです。それまでの過程では何度でも・何回でもプロとしてアドバイスしますし、しっかりと相談に乗ります。

先日、常連の女性のお客様の今後の事について相談するために、レントゲン検査や口腔内写真撮影、歯周精密検査などを行いました。
咬み合わせが原因で歯がすり減ったり割れたりしてきており、お痛みが出てきているのです。

私:「割れてきている歯を少し削って、その歯に負担ががかかりにくい歯の形にしたり、銀歯の被せにして割れるのを食い止めたりするアイデアがあります。やってみて、それでもダメなら神経を取りましょうか。」と説明しました。

彼女:「歯を削るのには抵抗がある。銀歯になるのはイヤ。白い歯はお金がかかるし・・・。」とのお返事で「先生の歯だったらどうしますか?」と聞かれました。

私はしばらく考えて「私の歯だったら、ひょっとしたらいきなり神経を取ってもらって、ジルコニアセラミックの白い被せにしてもらうかも知れません。その後ダメになったら抜歯してインプラントにしてもらうかも。理由は、私は土曜日も毎週仕事をしていて、平日も本当に忙しくて、皆さんのように歯医者に何度も通院する時間が取りにくいんです。自分の歯を犠牲にしてでも英保歯科で皆さんの歯を治療する義務と責任があるのです。それから、自分自身の歯を自分で治療する事はできないのです。英保歯科の治療のように、割れてしまったような歯の神経でも何とか残そうと、接着や防湿の細かい所にまでこだわってチャレンジするような治療を受ける事ができないのですよ。皆さんは時間もあるし、英保歯科があるから羨ましいですね。」と答えました。

彼女はニコニコと笑っておられました。どのようなご希望になるのか、とにかく少し考えてみてと言いました。「ハイ!」とのお返事でした。

こういった正直な気持ちや意見がお互いに遠慮なく言えて、フランクで友好的な会話ができるのは、彼女が長年英保歯科に予防のために通院して下さっているからこそなのです。

お互いに出会ったばかりの関係では難しいですね。

「ローマは1日にして成らず」です。

 

私も定期的に受けています。

今日は休診日でしたが、大阪に行ってきました。天気が良く気持ちの良いお出かけになりました。

私は毎食後と寝る前の1日4回、ブラッシングとそれからフロスもしています。(1日4回ルシェロフロスを使うので、フロスがかなりのスピードで減って行きますが、虫歯になるともっとお金と時間がかかる上に、虫歯になった歯は元には戻せないので安いものです。)

そんな「完璧主義(が好きだけど実際には大したことのない)」の私ですので、日頃のプラークコントロールは相当上手にできているのですが、今日は衛生士の先生に「歯のお手入れ(メインテナンス)」をしてもらいに行ってきました。私が休みの日は英保歯科の優秀な歯科衛生士の先生もお休みですので、いつも大阪の友人の歯科医院まで行っております。

プロ(歯科医師)の私でも、必ず年3-4回は歯科衛生士の先生にお手入れをしてもらいます。
皆さんが歯科衛生士の先生のお手入れを定期的に受ける重要性・必要性に気が付いて頂けると思います。

OKINAWA(オカナワ)

中学の頃に「POPEYE」という雑誌に出会って以来、アメリカ(西海岸)に憧れていた。

ところが、母親の教育方針で、高砂にある丸坊主強要の軍隊式教育が売りの中高一貫校の寮に入れられてしまった。どう考えても自分の性格に合っていなかったのだが、厳しい母親は絶対に退学を許してくれない事が分かっていたので、「辞めたい」と口にすることすらできなかった。思い出したくもない暗黒の6年間だった。

その後、岡山大学に入って親の監視からも解放され、「よし!自由だ!本来の自分に戻るぞ!」と、思いっきり長髪にして、真っ赤な中古車を買って、サーフィンを始めた。岡山は瀬戸内で波が全くないので、ウインドサーフィンという選択肢になったが、これがまた楽しかった。

短波が受信できるラジオを買ってアパートのベランダにぐるりとアンテナを張り巡らせて、夜中になると岩国から飛んでくるFEN(極東放送)という米軍の放送やサイパンから飛んでくるノイズまみれの英語の放送を必死になって聞いていたなあ。

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沖縄の米軍基地は「コザ市」という所(今の沖縄市)にある。1980年代のコザ市はアメリカの空気がして大好きだった。夏休みには(金が無いので)大阪南港からフェリーの4等船室で24時間以上かけて沖縄に行って、コザの近くの民宿に泊まってウインドサーフィンをしていた。
そうそう、小さなラジカセを持って行って、民宿で米軍放送のFMをカセットに録音して持って帰ったなあ。ここの民宿のオーナーさんもアメリカ大好きオヤジで「好きなように沖縄をドライブしてこい。」と無料で自分の車を貸してくれた。保険にも入っていなかったのに、良い時代だった。

沖縄に行った時には必ずコザ市のバーに行って米軍の連中と話をしていた。日本なのにドルが使えて、キャッシュオンデリバリーで、日本語は誰も喋っていなくて、MTVが流れていて、まるでアメリカに来ているみたいだった(実は、大学卒業まで海外に行った事がなかったので、勝手にそう思っていた)。当時の私の英語の発音は全然ダメだったけど、若さ故の勢いで今よりはるかにベラベラと喋っていた。それから、喋り言葉で通じない時に使った筆談では、受験勉強で習得した「完璧な文法とスペルと難しい単語」に米軍の兵士がビビりまくっていてとても楽しかった。

そこで知り合った空軍の兵士と意気投合して米軍基地の中に連れていってもらったことがある。基地へ向かうタクシーの中で彼が私に何か聞いてきたが理解できなかった。タクシーの運転手の地味なオッサン(日本人)が「基地ではバーでミュージックビデオが見たいか、他に見たいものがあるかと言ってるよ。」と、この地味なオッサンが完璧に英語を理解しているのを知って愕然とした。

基地のゲートでは街でナンパした日本人の女の子を連れて入る兵士の車がいたりして面白かった。私も名前を書かされたりしたが、ゲートの黒人兵士はとてもフレンドリーだった。
基地の中は完全にアメリカそのもの。大きなジムやその他の巨大な施設に圧倒された。
ビールを奢ってやると、基地内のバーに連れていってもらった。笑顔の可愛いいウエイトレスはフィリピンから来た女の子だった。そこでは「珍しい日本人の若者(私)」が沢山の兵士に取り囲まれて質問攻めに。「柔道と空手とどっちが強いんだ?」とか、色々聞かれて、必死になって答えていたけど、正直あまり通じなかったように思う。でも、楽しかった。

見たこともないビールを奢ってもらって、その空き瓶を「記念に持って帰ろう」と、ぶら下げて基地内を歩いているとアメリカンパトカーが追いかけて来て焦った。もう真夜中だったと思う。ポリスが車から下りて来て近付いて来た時は緊張したなあ。職務質問をされて、「中身が入っている酒瓶を基地から持ち出すのは(密輸扱いになるので)ダメだが空き瓶ならOKだ。」と言われて無罪放免。ホットした。

今から思えば、全部英語で話していたんだから、「若い頃の勢い」って凄いよね。

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数年前に家族で沖縄旅行に行った。学生時代の経験があったので、とてもワクワクしていたのだが、モノレールができたり、イオン系のスーパーができたりしていて風景が一変していた。
20年以上経って、沖縄が「OKINAWA」(米軍の連中はオナワと発音する)ではなく、ただの「沖縄」という日本の地方都市になってしまったことを悟った。私の大好きなアメリカの空気はもうそこにはなかった。

家族で市内を移動する時に乗ったタクシーの運転手に話しかけた。「米軍基地の中に入ったりできるんですかね?」「米軍基地!?とんでもない。入りたい人なんかいないし、米軍には迷惑しているんですよ!」
・・・。この運転手さんは英語も喋りそうにないなと思った。

そして、当時聞いていたFENは最近AFN(American Forces Network Pacific)という名前に変わったらしい。

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今、スマホアプリ、Smart RadioでAFN Okinawa(Surf 648)を聴いているところです。【 Google Play:https://goo.gl/FZGDEy 】

 

どうしても使えないよ。英保歯科のお客様には。

※今回話題に挙げる「被せ(かぶせ)」とはキャップのような形状のもので、「詰め物」とは違います。

奥歯にも、保険で白い「被せ(かぶせ)」ができるようにはなったのですが・・・。CAD/CAM冠というカッコイイ名前なんですが、保険のCAD/CAM冠は悲しい事にプラスチック製なんです。プラスチックでも強度を出すために、セラミックや金属に比べて被せの厚みが必要になります。つまり、ご自身の歯を大量に削り取らないといけないので、この「保険の白い被せ」は英保歯科では推奨できかねるというお話をした事があります。

しかしながら、少なからずの歯科医院がこれを「ビジネスチャンス」と捉えているようで、「保険で白い被せができるようになったんですよ!銀歯の被せを保険で白い歯にできますよ!やらないと損ですよ!」みたいな事を言っているようです。先の事を考えない、短期間の美容の面ではメリットがあるのかも知れませんが、英保歯科の自分の大切なお客様には、はっきり言ってやりたい仕事ではありませんね。

関連する記事が載っていましたので、下にリンクを貼っておきます。参考にして下さい。

白くて自然 歯科医が推奨「CAD/CAM冠」のメリットと疑問(日刊ゲンダイDIGITAL)

この記事の中では「神経を取ってある歯なら、(削る量が膨大になっても関係ないので)この保険のプラスチックのCAD/CAM冠にしても良いでしょうが」といった事が書いてありありますが、私(英保先生)から見ると「神経が取ってあるからといって削り倒してもOK」という理論は成り立たないと思います。いかなる場合でもたくさん削った歯の寿命は短くなるのです。

このように考えますので、英保歯科では「保険の銀歯の被せ」か「ジルコニアセラミックの被せ」の二者択一になってしまいます。

どうしても白い被せにこだわって、かつ、先々までその歯を残したいのなら、自由診療のセラミックのCAD/CAM冠を選択なさるのが賢明だと思いますよ。

神よ彼を救いたまえ。(閲覧注意)

「歯石がたまってきたから、そろそろ歯医者に行かないと・・・。」それで本当にいいのかな?

4年間も歯科衛生士の先生の治療を受けていないお口の中って想像できます?きっと、英保歯科のファミリーの皆様には考えられない事でしょう。

糖尿病専門医の西田先生は「歯周病は糖尿病とそっくりな所があります。初期は自覚症状がない点と、一度進行してしまうと元には戻れない点です。」と説明されています。

歯石は「歯垢のステージ5」である事は以前にもお話しました。歯石は悪玉菌(歯周病菌と虫歯菌)の核シェルターのようなもの。歯石で完璧に守られた歯周病菌はLPSという有害物質を大量に産生し、歯茎と骨が「音もなく静かに(自覚症状無しに)」破壊されます。
更に恐ろしい事には、生きた歯周病菌とLPSが周辺の毛細血管から体内に入り、全身の血管を駆け巡ります。ですから歯周病が脳梗塞や心筋梗塞の原因になるのです。

歯のケアーを怠ったために脳梗塞になって介護を受け、歯も少なくなって流動食しか食べられない老後自分の姿が想像できますか?

「歯石が付いているだけ」と思われるかも知れませんが、私には「静かな自殺行為」に見えます。
歯石の内側には、歯周病菌の産生した物質が付着しています。真っ黒な色が毒々しいでしょう?

歯科衛生士の先生の予防治療があなたの人生を守ってくれる」という表現が大げさでないことが理解できますか?

英保歯科では歯科衛生士を「先生」付けで呼んでいますが、その理由は、ここにあるのです。彼女達は「命と人生を救う(予防する)仕事」をしているのですよ。

 

 

日本は自由な国

歯の病気は虫歯だけだという固定観念から抜けきれない男性のお客様。過去に何度も歯周病について説明したのですが、歯周病の恐ろしさが未だに理解できないようです。

「詰め物が取れた。痛みは無い。」との事で、英保歯科に4年ぶりにお見えになりました。4年ぶりですが、痛くなるまで歯医者に行かないよりは随分立派です!

「ずっとほったらかしにしていてスミマセン。」とも。怒られると思っておられたのでしょう。確かに4年前の英保先生なら怒っていたかも知れません。

2年前から「断捨離」を遂行して価値観が大きく変わった私(英保先生)。日本は憲法で個人の自由が謳われている国です。一人一人の価値観、行動には自己責任による自由が保障されているのです。「歯(人生)を大切にするのもそうでないのも、あなたの自由なんですよ。」と心の中で答えます。

未成年や、子育て中のお母様、祖父母には(子供達の悲惨な将来が見えてしまうので)熱く、強く説得する事はあっても、成人には理解して頂くために誠心誠意説明するだけで、「怒り」の感情は全く湧きません。「気の毒に」と思う事はしばしばありますが。

4年間も放置していたので、彼のお口の中では、静かに、症状も無く歯周病が進行していました。「簡単に予防できた事なのに・・・。気の毒に・・・。」と思いました。

続きは明日お伝えします。

一人きりでやってみました。

今日は文化の日で休診ですが、午前中だけ診療しておりました。
来週の土曜日は、新潟で開催される日本接着歯学会に参加するために診察ができないのです。
土曜日が営業日である我々にとっては、年に数回しかない連休ですので、スタッフには休んでもらって一人きりで開店することにしました。
ZOOという器具があるので、一人でも治療はちゃんとできるのですが、事務的な事はハードルが高過ぎました。
治療費は「次回の来院時にまとめてお願いします。」次回の予約は「またお電話でお願いします。」と、「スタッフには本当に感謝するな~。」思いながら、診療をしておりました。
「先生お一人なんですか?お休みの日に有難うございます。」と、お客様はとっても喜んで下さいました。
そのように言って頂いて、私もとっても嬉しくなりました。
温かい言葉のやり取りでお互いの気持ちまで温かくなるって、本当に良い事ですね。

母校での講義

開業医なのですが、「岡山大学歯学部臨床講師」という役職を持っておりますので、大学で講義しています。
昨日は臨床実習に出始めたばかりの歯科医師の卵の皆さんに講義をしてきました。

大学で学んでいるうちに色々な「固定観念」が生じてしまう話も交えて、最新の治療の方法など、色々な話をしてきました。母校の学生達は皆真面目で熱心な「子」ばかりで、1時間だけの講義でしたが、熱弁を振るってきましたよ。

岡山は第2の故郷。ここに帰ってくると本当にホッとします。
地方都市らしく、皆さんの表情も穏やかでスピードもゆっくり。
また帰ってきますね、Love 岡山。

けやき台こども園

昨日はハロウィンでした。お向かいのけやき台こども園にもマリオやお姫様などの仮装をした可愛いい子供達の姿が見えていましたよ。
夕方にそのけやき台こども園から新しいお客様がお見えになりました。4歳の女の子とそのお母様です。

お嬢様の方は、入室する時は怖がっていましたが、「見るだけ」と言って歯の状況を見させて頂きました。

前歯に小さな虫歯ができていて、それから噛み合わせにも少々問題があるので、それらの2つについて、原因除去のための「予防歯科的アプローチ」についてお話をさせて頂きました。20分位喋っていたかな。

こちらのお母様、お子様への愛情に満ちたとても聡明な方で、毎日のフロスやヤクルトの中止、フッ素入り歯磨剤の使用など、家庭でできることを既に実践されており、今日私が説明した事もきちっと理解しておられました。
「永久歯は絶対に虫歯ゼロで行きましょうね!お二人なら全然難しい事ではありませんよ。」いう言葉で説明を終わりました。

絶対大丈夫。賢明に対策を立てて実践すれば、虫歯と不正咬合を予防して美しい歯と歯並びを手に入れる事ができるはずです。ハードルはそんなに高くありません。

歯科医師として、彼女の成長を見守るのがとても楽しみです。