先生の歯だったらどうしますか?

※英保歯科では歯科医師が独断でお客様の治療方針を決定することは絶対にありません。お客様の大切な体、お客様のかけがえのない歯なのですから、ご自身で真剣に考えてもらってご自身で決めて頂きたいのです。それまでの過程では何度でも・何回でもプロとしてアドバイスしますし、しっかりと相談に乗ります。

先日、常連の女性のお客様の今後の事について相談するために、レントゲン検査や口腔内写真撮影、歯周精密検査などを行いました。
咬み合わせが原因で歯がすり減ったり割れたりしてきており、お痛みが出てきているのです。

私:「割れてきている歯を少し削って、その歯に負担ががかかりにくい歯の形にしたり、銀歯の被せにして割れるのを食い止めたりするアイデアがあります。やってみて、それでもダメなら神経を取りましょうか。」と説明しました。

彼女:「歯を削るのには抵抗がある。銀歯になるのはイヤ。白い歯はお金がかかるし・・・。」とのお返事で「先生の歯だったらどうしますか?」と聞かれました。

私はしばらく考えて「私の歯だったら、ひょっとしたらいきなり神経を取ってもらって、ジルコニアセラミックの白い被せにしてもらうかも知れません。その後ダメになったら抜歯してインプラントにしてもらうかも。理由は、私は土曜日も毎週仕事をしていて、平日も本当に忙しくて、皆さんのように歯医者に何度も通院する時間が取りにくいんです。自分の歯を犠牲にしてでも英保歯科で皆さんの歯を治療する義務と責任があるのです。それから、自分自身の歯を自分で治療する事はできないのです。英保歯科の治療のように、割れてしまったような歯の神経でも何とか残そうと、接着や防湿の細かい所にまでこだわってチャレンジするような治療を受ける事ができないのですよ。皆さんは時間もあるし、英保歯科があるから羨ましいですね。」と答えました。

彼女はニコニコと笑っておられました。どのようなご希望になるのか、とにかく少し考えてみてと言いました。「ハイ!」とのお返事でした。

こういった正直な気持ちや意見がお互いに遠慮なく言えて、フランクで友好的な会話ができるのは、彼女が長年英保歯科に予防のために通院して下さっているからこそなのです。

お互いに出会ったばかりの関係では難しいですね。

「ローマは1日にして成らず」です。