フッ素なんてとんでもない!あんな危険なものは使いません。

数年前の話。あるお母様、ナチュラリスト風のいでたちで、ノーメイク。ライフスタイルにポリシーをお持ちである事が感じられます。私も健康オタクな所がありますから、「ピン」ときました。いい感じですよね。
その方も英保歯科が自然派主義「オーガニックデンティストリー」をアピールしていますので、色々と期待して来院して下さったようです。
「我が家では歯磨き粉は石鹸系を使います。防腐剤や界面活性剤が入った物は使わせません。」と、さもスゴイでしょと言わんばかりの勢いで教えて下さいます。
(確かに四葉さんなどで時々広告を見かけるよな・・・。と私。)
お子様のお口の中を拝見すると、残念ながら数本の虫歯があります。
もちろんお子様の食生活には相当に気を使っておられるはずですが、何にでも精製白砂糖が添加されている現代では、歯の質の弱い子にはリスクが高いようです。
私「甘いお菓子を頻繁に与えるような暮らしはなさっていないと思いますが、この子は持って生まれた歯の質が弱いようです。フッ化物の応用を強くお勧めします。」と言いました。
お母様は、ガックリ。本当にガックリ!といった感じで、「フッ素なんてとんでもない!あんな危険なものは使いません。」(You Tube で見たのかな。フッ化水素とフッ化物を混同して、ただ単に危険をあおるような記事があったよな・・・。と私。)
「虫歯に詰め物をする時には金属や樹脂や接着剤を使いますよ。それは受け入れられるのかな?それとも穴があいたまま放置する気ですか?」と問題提起しておきました。
英保歯科はお眼鏡にかなわなかったようで、それ以来お見受けしておりませんが、子供の事が気になります。
ある新興宗教で、子供に輸血をする事を拒んで医師が命を救う事ができなかった事件がありました。健康オタクもこれと同様に、あまりに行き過ぎると子供に迷惑がかかります。子供には健康な生活を送る権利があると思います。親の趣味で判断するのではなく、冷静になって、極端な事は避けて欲しいと思います。