セラミックのかぶせを外して再治療した。これも予防歯科なんだけど、解る?

歯医者のブログなので、当然のように今日も歯の話です。(え、最近は車の話ばっかりだったって?そうだったかなァ?)

ずーっと英保歯科に予防に来て下さっているお客様の歯です。昔他院でやってもらったセラミックの歯の歯肉側が茶色になっています。「今ちゃんと修復し直さないと、ポキッと折れてきたりした時には抜歯してインプラントですよ。」と説明したところ、自由診療でやり直しされる事を選択されました。信じてもらえて嬉しいな。
根っこの先に病巣があります・・・。
セラミックの被せを外してみたら・・・。まあ、わかってたけどね。
銀合金のメタルコア(金属製の土台)を取り除いたところ・・・。まあ、わかってたけどね。
・・・。頑張って掃除しよう・・・。
根管充填剤というものを全て取り除きました。(青い所に入っていた)。これが大変な仕事なんです。
根っこの先っちょの近くにある側枝という所(黄矢印)にバイオセラミックスを填入する事に成功!これで病巣は縮小するはずです。
今回は土台にファイバーコアを使いました。黒い所は銀合金によるタトゥーで虫歯の取り残しではありませんからご心配なく。
丁寧に削って、技工士の先生にジルコニアセラミック冠を作ってもらいます。
ジルコニアセラミック冠を仮止めして使ってもらいます。具合が良かったらレジンセメントで接着します。

自由診療で20万円ほどかかりますが、これでこの歯の寿命を「グン」と延ばす事ができました。充分に価値のあるお金の使い方だと、私は思います。読者の皆さんの価値観からご覧になったら、どう思われますか?

できれば10年、20年と持って欲しいのですが、既に神経を取ってしまってありますからね・・・。祈る思いです。

私が言いたい事は「歯科医師がこれだけ頑張って、お客様は何回も何回も通院して、高額の治療費を払っても、元々の無垢の歯には戻せない」という事なのです。予防が一番シンプルで簡単でほぼタダである事をしっかり理解して実践して頂きたいと願います。