人それぞれ

メールが来ました。「○○先生(友人の歯科医)が東京都内に15億円のゴージャスな歯科医院ビルを建てた。成功者の模範です。」との事。凄いな。

この先生の事を私も良く知っています。友人だから。

彼は米国の大学で数年間インプラントの勉強をされてきたエリートです。その上性格が羨ましいほど良く、大学ではラグビー部を最後までやり抜いた根性と、後輩の面倒見の良さを持っています。男の私でも惚れる程のナイスガイです。イケメンだし。

しかも素晴らしい奥様と4人だったか、5人だったかの子宝に恵まれて仕事と家庭を大切にされています。

そんな彼が多くのスタッフ(仲間)を従え、大成功して15億円のビルを建てたとしても、「彼なら当然だ。本当に良かったね。」と、心から思います。

振り返って自分は、彼とはかなり性格が違います。

思う所あって、年々規模を縮小している英保歯科。

今や看板はこれだけ。私を本当に必要としている人だけに全身全霊をかけます。それで充分。それで手一杯。
○○先生は私が中古の軽四の後ろで寝袋に入っているのを知ったら、何て言うだろうか?彼は性格が良いから馬鹿にはしないと思うけどね。

でも「価値観は人それぞれ」で良いのではと思います。

15億円の新築ビルも20年後には古くなって、彼や彼の子供達にとっては不動産になるか負動産になるか不明です。簡単に壊す事もできないでしょうし、色々と考えただけで大変そうだ。

三田の英保歯科は「私が廃業する時に簡単に壊して更地にしやすいように」と、平屋の木造で作っています。子供に押し付けようなんて気は微塵もありません。

私が32歳の時、担当の設計士は鉄筋コンクリートの2階建てビルを提案してくれました。「私は木造の平屋でお願いします。」と答えました。理由は言わなかったけどね。

32歳の時に既に「立つ鳥後を濁さず」を考えている私って、何なんでしょうね。

でも、今後の日本の行く先を考えた時、その時の自分の考えはあながち間違っていなかったように思えています。