「考え方のバイオフィルム」除去は簡単ではない

日本人の98%は歯が痛くなってからしか歯医者に行かないそうです。
その一方で、英保歯科のお客様の80%は予防のために来院されています。別世界ですね。理想的な歯科医院だと自負します(ここまで来るのに20年以上かかりましたが)。

英保歯科に「痛い時だけ」あるいは「気になる事がある時だけ」お見えになる方は、歯石(=歯垢のステージ5)がたくさん付いていたり、歯肉が腫れていたり、虫歯があったりします。前者の98%に分類される方です。
98%というと「ほぼ全ての日本人」ですから、ほぼ全ての日本人全員が以下のような固定観念で「歯」を捉えている事になります。
例えば・・・
①邪魔くさいからフロスはしないし、歯医者に定期的にも行かないけど、穴が開いたら痛くなる前に歯医者に行くから俺って優秀。
②歯医者に行って虫歯が見つかったら、即、削ってもらいたい。早めに詰めた方が良いから。それに何回も来たくないから今日からとっととなおしてくれ。
③どんな治療でも保険でやって欲しい。歯に金はかけたくない。
④虫歯になる度にいろんな歯医者に行ってみるけど、外見が奇麗なばかりで、ろくな歯医者がない。
等々・・・。

ある予防歯科医は日本人のこのような歯に対する常識を「考え方のバイオフィルム」と表現しました。
歯に強固に付着している末期の歯垢(=歯垢のステージ4)はバイオフィルムに覆われていて簡単には取り除く事ができない事からの例えです。

予防歯科に通われていない方に対して私が一生懸命色々な事を説明するにつれ、みるみる機嫌が悪くなってくる事があります。自分の(日本人としての)「歯の常識」と照らし合わせて、きっと私が何を言っているのか、何で延々と話をされるのかわからないのだと思います。

98%の日本人に合わせて行動を取る方が「賢い」歯科医師で、私は「バカ」な歯医者なんだろうと思います。でも、既に英保歯科のお客様の80%は予防のために来院されています。もうそれだけで充分勇気を頂いておりますので、色々な事があっても頑張ります。