カテゴリー別アーカイブ: 最重要!予防のキーポイント

加糖・ブドウ糖液糖って食べた事ある?

「加糖・ブドウ糖液糖」・・・変な名前の糖ですが、食べた事ありますか?「そんなの食べた事ないよ。」とおっしゃるでしょうね。
実は、100%フレッシュジュースではない、加工されたジュースなどには結構含まれています。コンビニで紙パックに入ったの甘い飲み物を手にしたら、側面の成分表をご覧になって下さい。
「自分より我が子の方が頻繁に摂取していたようだなー。知らなかった・・・。」と思われる方も多いと思いますよ。
この「加糖・ブドウ糖液糖」の正体が気になりませんか?体に良いのか悪いのか?
「英保先生が書くから、また体に悪いからやめろだろ!?」と思われているかも。
うーん、やっぱり精製白砂糖同様、体に良いものでは無いとは思うのですが、精製白砂糖よりは「ちょっとだけ」虫歯になるのがマシだそうです。
ちなみに、企業が「加糖・ブドウ糖液糖」をジュースなどに使う理由は「国民の歯の健康のため」、ではなくて「砂糖より安い」という分かりやすい理由からだそうです。

ベロのサイドに凸凹の圧痕

お口の中の3大病気、「虫歯、歯周病、噛み合せ病」のうち、噛み合せ病の一つに、就寝中の「くいしばり」があります。最近テレビで紹介される事が増えてきたので、納豆、バナナ、炭酸、ココナッツオイルなどのようににわかにブームになっていますね。
テレビでは「ベロのサイドに凸凹の圧痕が付くと、くいしばりをしている証拠です!」と言っています。
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ベロの両サイドに歯の凸凹に呼応するように圧痕がついているのがわかりますか?
確かにそうなのですが、歯科東洋医学の見地から診ると、ベロのサイドの凸凹の圧痕は「気虚」という状態になっている特徴だと言われます。
「気虚」とは生体のエネルギー、気力のようなものが減っている状態です。程度がひどいと鬱状態になったり、何もやる気がしなかったりするようになります。
くいしばりもストレスが主な原因ですから、心と体のコンディションを整える事が原因除去になります。
キーワードは「バランス」です。極端な運動、極端なダイエット、極端な暴飲暴食、極端な飲酒、そしてタバコ、夜更し、過労・・・。
運動と栄養と休息のバランスを保てる「賢明さ」を身に付ける事が大切です。

偉そうに言ってるけど、先生はどうなん?

自称「健康オタク」の私は30年前に肉食を止め、数年前にはお酒を止め、最近は大好物の甘い物を食べるととても疲れやすいので、それも控えるように努力しています。その理由は・・・。
子供の頃に両親が私に甘いおやつをたくさん食べさせたようで、私は小学校に上がる前からずっとひどい肥満児でした。その時に染みついた嗜好からいまだに抜け出せないため苦しみもがいています。その頃に脂肪細胞も随分増えてしまったようで(この細胞数を減らす事はできないそうですね)、油断するとすぐに太ってしましいます。
もちろん虫歯にも苦しみました。乳歯は虫歯になっていて、小学校の低学年の時、学校健診の時に歯科医師の先生が私の口の中を見て「君は歯医者の子やろ?」と言われて呆れられたのを良く覚えています。「何言うてんねん。お父さんにちゃーんと治してもらうから平気や!」とその先生をにらみつけた事もはっきりと覚えています。今から思えばミジメで悲しい話です。
予防歯科の考え方と正しい知識が無いと、歯医者の家庭であっても我が子の歯を守る事ができません。愚かな事でしょう?
皆さんの子供さんには、是非、私のような嫌な思いはさせないであげて下さい。私の、心からのお願いです。
私のブログを読んで頂ければ、予防歯科の知識を得る事ができますよ。

「一度かぶせたら、もう虫歯にならないと思っていました。」

患者さん「一度歯医者さんで金属を入れてもらったら、もうそこは虫歯にならないと思っていました。素人考えだったんですね。」
歯は生体で金属などの詰め物は人工物です。その全く異なる性質のものを接着するわけですから、相当に繊細に作業をおこなわなければ上手くいきません。具体的には治療の時に防湿をきちっとして、接着剤の特性を最大限に発揮できる環境を整える事が大前提です。
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金属の詰め物が外れて来院されました。外れただけでは無く、金属に覆われていた内部の所がひどい虫歯になっていました。
歯科医師も「患者さんの歯と健康を守りたい」との高い志を持って日々の臨床に望んではおりますが、保険診療では治療にかける事のできる時間や使える材料の制約があまりにも大きすぎて、妥協の産物になってしまう事が多々あります。

一生ガチガチな暮らし?歯だけね。

虫歯予防の鍵は生後直後から中学校に上がるまでと言いましたが、一生精製白砂糖を避けるために、ケーキもおまんじゅうも食べないストイックな生活をするべきなのでしょうか?
答えはNo で良いでしょうね。中学校に上がったら塾通いや友達付き合いでどうしても食生活に変化が出てきます。大人として扱ってあげなければならない一面も出てきますので、両親がケーキを楽しんでいる時に一緒に参加してお話が弾むのも良い事ですね。
もう、この頃には予防歯科の知識や考え方、歯の重要性や手入れの仕方などの基礎がしっかりと刷り込まれているはずです。もしも反抗期で実行しなくても、小さな時、大切な時期に丁寧に育て教育していますから、ある日突然その効果が再び現れますよ。
歯の方はといいますと、継続したフッ化物の使用で、この頃にはカチカチになってきてくれています。
中学校になったら、食生活を多少弛めて頂いても大丈夫。肝心な時期にあれだけ頑張ったんですもの。硬く成熟した歯になっていますよ。

お父さんが日曜日にフロスを

仕上げみがきは、子供が自分で磨いた後に保護者が磨き忘れの箇所のプラークを取ってあげる作業です。これは誰の仕事?どこを磨く?
多くの場合は、普段家庭を守ってくれているお母さんの仕事ですよね。それではどこを磨くか?ズバリ、上あごは奥歯の外側、下あごは奥歯のベロ側です。子供が歯ブラシを当てにくい部位の代表がここですね。それから上の前歯の外側が続きます。
日曜日はお父さんの出番です。あぐらをかいで、子供の頭をゴロンと自分のあぐらの上に乗せて、しっかり歯や歯並びを観察してあげて下さい。そして、仕上げみがきに加えて、フロスをしてあげて下さい
子供はお父さんが自分の体(歯)をとても大切に思っていてくれているという事を無意識に理解します。スキンシップにもなりますし、こういった事が世代を超えて連鎖し、歯を大切にする意識が家族のメンバー全員に広がる助けとなるはずです。

1年生は虫歯予防も再スタート

小学校に上がる頃にちょうど、一番奥に6歳臼歯が生え、同時に前歯が永久歯に生え変わりますね。乳歯がドンドン生えてくる小さい頃にはお母様もかなり気を付けて虫歯予防に取り組んで下さいます。フッ化物のお陰もあって、20本の乳歯が全て生えてしまってから何年も虫歯ができずに、何の苦労もなく過ごせる時期が幼稚園の頃を中心に何年か続きます。
でもその後、油断した頃に「新しい歯」永久歯が出てくるのです。
生えたての歯は生まれたての赤ちゃんといっしょで、まだ熟成されていないため「柔らかい(フニャフニャではないですが)」のです。ですから油断していると、絶対に虫歯にしたくない永久歯が虫歯菌におかされてしまいます。
1年生になったら、新しく永久歯が生えだしたら、心機一転、もう一度初心に戻って虫歯予防の基礎を思い出し再出発して下さい。
中学校に行って塾に通い出したり、反抗期に入ると親の監視から完全にドロップアウトしてしまい、友達とコンビニで甘いおやつを食べだします。歯磨きしろと言っても言うことを聞かなくなります。
それまでにカチカチの堅い歯と、虫歯菌のほとんどいない口の中にしてやらないといけません。虫歯予防は生まれてすぐから小学校が終わるまでが勝負と言っても過言ではありません。

おやつは持って行くからジュース出してね。

我が家の子供は神戸友の会幼児生活団という所に通っていましたので、幼稚園に通園した経験がありません。ご近所の幼稚園に通園されておられるお子様は、時にお友達のお家に遊びに行ったり、遊びに来てもらったりすると思います。羨ましいですね。ところで、このような話を聞きました。
私の友人のAさん「子供の友達が遊びに来てくれたのですが、ポテトチップなどのおやつを持参して(くれて)バリバリ食べだしました。ビックリしつつも麦茶を出してあげると、『この家にはジュースは無いの?』と言われて再度ビックリ。その時は本当に無かったので『ごめんね、無いのよ。』と言ったのですが、とにかく驚きました。」
英保歯科のスタッフのBさん「英保歯科に勤務するずっと以前からの話ですが、遊びに来てくれた子供の友人には絶対にお茶しか出しませんでした。『おばちゃん、この家にはジュース無いの?』と聞かれても『ごめんね、無いねん。』と言って、あえて出さないようにしていました。せっかく遊びに来てくれた近所の子を虫歯にしたくありませんからね。」
お二人とも立派な考え方を持ったお母様だと思います。最近はアレルギーの事もあって食事やおやつの交換を禁止する学校も増えています。命に関わる可能性があるからです。
ジャンクフードとジュースでお腹を一杯にしてしまいますと、夕食が食べられなくなったり肥満の原因にもなります。もちろん虫歯のリスクも高まります。
子供の体と心と歯は大人と違います。せっかく遊びに来てくれた小さな小さな子供達に対する、本当の優しさ、思いやりとは何かを再考して頂けると有難いです。

DMF指数1以下の時代を生きる

ついに日本人の12歳DMF指数が1以下になるようです。DMF歯数とは「過去に虫歯になった事がある歯の数」の事で、歯科医院でちゃんと治療をしてもらっている歯も数の中に入ります。例えば今までに12本治療していて、今虫歯が3本あって、抜けている歯が2本なら、あなたのDMF歯数は、12+3+2=17本で、17となります。「虫歯が2本だから2にしてくれないの?」と言いたくなりますね。あなたのDMFはいくらになりますか?今の日本人の中年なら「多すぎてわからないよ。」とういのが普通です。今の日本人の大人は歯が悪くて「普通」なのです。
DMF
(Garbage news.com より)
一方、これから大きくなっていく、今の子供たちは、我々の時代とは別世界に生きるようになります。「虫歯になった事もないし、歯に詰め物なんか一つも入っていない」のが当たり前の時代なのです。「歯が悪くて当たり前」から「歯が良くて当たり前」に変わってしまったのです。
「みんなと同じだと安心」という考え方が大好きな日本人社会で、歯がボロボロになってしまった子供が一生を過ごす大変さが想像できますか?
読者の皆様に、私がこのHPで、狂気のように子供の虫歯予防を強調している理由が解って頂ければと思います。

 

 

歯並び以外に、歯ごたえのあるものを食べる効果

米国では肥満による睡眠時無呼吸症候群がほとんどだそうですが、日本人には太っていないのに、その病気で苦しんでいる人が多いそうです。その理由は弥生人風(しょうゆ顔)の顔の骨格にあります。縄文人風(ソース顔)の人は南方系ですが、秋田美人に代表されるほっそりとしたしょうゆ顔は北方系と言われます。
男も女も小顔ブームで、アイドルもジャニーズも誰もかれもエラが張っていないほっそりとした顎を好みます。
呼吸の関係から言うと、むしろ、がっしりとした顎の方が上気道の確保に有利なのです。
歯並びという視点から、積極的に歯ごたえのある物を子供たちに食べさせようという意見がありますが、同様の事は呼吸の視点からも言えると思います。