米国顕微鏡歯科学会@LA(4)必然の出会い

実は、今回で最後の渡米にしようと思って三田を後にしていました。

ZOOという治療器具を世界に、まずアメリカに広めたいという思いがあって英会話の勉強を(皆さんと同じようにもがき苦しみながら)頑張って、米国の歯科学会などに出向いて展示即売を試みては失意のうちに帰国するという事を30歳代の頃から何度も何度も繰り返して来たのですが、少しも芽が出ないので諦めかけていたのです。「黄色人種の極東から来た歯医者が片言の英語で説明しても無理なのかな…。」と。

ところが今回、私の展示ブースを偶然通りかかった歯科衛生士さんが立ち止まって「ああ、この装置知ってるわよ。私の所の院長先生が凄く愛用しているわよ。」と声を掛けてくれました。「その院長先生って誰?」と私。「ビルよ。じゃあね。」と彼女。

「ビル・リンガー・・・。」米国顕微鏡歯科学会の現会長で、お互いに面識があります。腰を抜かして驚いていると、そこに偶然、USCのドクターで接着歯科のエキスパートであるパスカルマニエ先生が通りかかりました。

ビルを探して「パスカルマニエにこの装置の事を紹介してくれない?」とお願いすると「ああ、いいよ。」と言ってブースに連れてきて、特徴などをペラペラと説明してくれました。最後に私の方を向いてウインクして「これでいいか?」と。

接着歯科のカリスマ的存在、パスカルマニエ先生のご講演。英語のスピードが速く、必死になって聞いていました。

ずっと前から「パスカルマニエにZOOの存在を知ってもらえたら」と思っていたのですが機会が無かったのです。それが今回何と、パスカルマニエに1台サンプルを手渡す事ができたのです。もしも、世界中の歯科医師に影響力があるパスカルマニエがZOOを愛用するようになったとしたら・・・。

チャーリー伊藤さん、本当に有難う御座いました。

今回もお世話になった米国在住の起業家、伊藤さんに「確率で考えると信じられないような偶然の出来事が連鎖反応のように起きました。」と言うと、「英保先生、これらの出来事は偶然じゃなくて必然なんですよ。それを理解して、これからも継続して米国にいらして下さい。終わりにするのでは無く、これから始まるのですよ。私もお手伝いしますから。」

ハリウッドサインが山の上に見えました。

「友あり遠方より来る。また楽しからずや。」私の好きな言葉ですが、それに「偶然ではなく必然」を加えたいと思います。何と前向きな考え方でしょう。単身渡米して苦労し大成功された伊藤さんの言葉には重みがありました。

もうすぐ帰国の途に着きます。人生は短いので、一日一日を大切にして前向きに、積極的に生きていこうと思います。でも、三田に帰ったら頭を切り替えて診療に専念しますね。だって、皆さんが待って下さっているのですから。