幼少期の記憶

私が幼稚園の時の事ですが、今でも昨日の事のように鮮明に(カラーで)覚えている事があります。
小太りで女の子とままごとばかりしているような(今で言うオタク?)おとなしい子だったので、男子の友達が全然いなくて、よく一人で近所の丘に探検に出かけたりしていました。
故郷の小高い丘にある、フェンスに囲まれた貯水場はいつも雑草が短く刈り込んであってスッキリした景観でした。
ある日、いつものようにそこに探検にでかけると、キチッと刈り込んである土地の一角にたった一株だけ数センチの植物があって、それには「見た事も無いほど美しい」花が咲いている事に気が付きました。
子供ながら、「何て美しい色と形の物がこの世の中にあるんだろう。」と息を呑むほどの感動を覚えて、その花の色と姿に30分以上見とれていたように思います。その花を見ながら、ずーっとそこにいたのを覚えていますので。
それから後にその花が野生のすみれである事を知りました。

今朝、診療所の庭で同じように孤高のすみれを発見しました。
それを見た時に、あの時の感動はもう感じられないほどに、現在の感性は鈍ってしまっているのですが、それでも子供の時の思い出を瞬時に思い出しました。

連休中に診療所に出て来て、このすみれをポットに移して持って帰ろうと思っています。このままにしておくと雑草として草刈り機で切り落とされてしまいますので。

子供の頃に(スマホやゲームばかりではなく)自分の足で歩く速度で自然を観察する機会って、意外に価値があるのかも知れません。