親知らずの上手な活用法

英保歯科では時々使う戦略なのですが、12歳臼歯がひどい虫歯になってしまった時に、その7番と呼ばれる歯を抜歯して、後ろにある親知らずを自然に7番の位置に生えるようにさせる事があります。

お客様が10代前半の時。真ん中に見えるのが7番。C2程度の虫歯になっているので治療をしました。
それから10年後。今度は神経に到達するような虫歯にしちゃいました。神経を取って銀歯のかぶせにしたところで、一生持つ訳もなし。相談の結果、7番を抜歯することにしました。
それから更に10年後。親知らずが7番の位置に自然に下りて来ました。虫歯の無い歯がいい感じで生えて来て、ラッキーですね。

この方法の欠点は
①100%良い位置に生えてくるという保証がないこと。
②7番に比べて親知らず(8番)は、歯のサイズが小さいし、歯根も短く頼りない事が多い。

この方法の長所は
①無垢の歯がまた生えてくるので、予防をして大切にしてやれば一生使える。
②骨の中に埋もれた親知らずを抜かなくて済む。
③親知らずによるかみ合わせに対する悪影響などを回避できる。

私が開業した当時、30歳代の頃にこの方法をお客様にお勧めしても半信半疑で、拒否されたり来院されなくなったりした方もおられました。歳を重ねたおかげで、同じ説明をしても、最近は多くの方がこの方法を選択されるようになりました。
でも、一番良いのは7番を虫歯にしないことです。やはり予防が大切ですね。