バナナの皮が歯を白くする?

最近、バナナの皮を使った「歯のホワイトニング」がとても評判になっています。大流行の兆しあり。という感じですよね。
ググるとたくさんヒットしてきますが、歯の写真はレタッチされたもので、真実ではないと思います。歯科医の目から見ると、このサンプルのような美白効果はバナナを使っては得られないと思います。恐らく最初にフォトショップで修正した写真がポストされて、それがコピペされて広がったのではないでしょうか。
バナナに含まれる分解酵素が歯の表面に付いた食品などの有機物由来のステインや着色を溶かしてくれる可能性は多々あると思います。また、天然成分ですので、歯にダメージを与える事はほとんど無いか、皆無と言って良いと思われます。
研磨剤が多量に含まれる歯磨き粉(スーパーなどで売っている安物の歯磨き粉に多い。ライオンとかサンスターなどの一流ブランドが出している製品もあるので信じてしまうが、要注意です!)を使ってステインを落とすよりは、バナナの皮の方がずーっと安全で良い方法だと思いますよ。どうせ捨ててしまうバナナの皮ですから、10分間という時間を使って試してみる価値はあると思います。

でも、人によって肌の色が違うように、もともと持って生まれた歯の色というのがあります。これはむしろ内部の色によって決まります。真っ白白にするには強力な化学物質(漂白剤)で歯の中まで漂白する、歯を削って真っ白白なセラミックをかぶせるかのどちらかです。
未成年ののアイドルが、明らかにセラミックの歯だらけにされてしまっているのを見るとほぼ「虐待」と呼んで良いのではと悲しくなります。一度削ってしまった歯は元には戻せません。彼女達にはこれからも長い人生があり、自分の歯を使っていかなければならないのです。
アイドル本人の希望や同意があったと周囲の大人は言うのでしょうが、金儲けの材料にするために芸能プロダクションも、ひょっとしたら親までもそのように持って行ったとしたら、ひどい話ですね。

黄色人種も黒人も、もしも自分の肌の色を嫌がって変えようとしたら、色々な事を犠牲にしなければなりません。時には心を病んでしまう事もあるでしょう。
私は自分の患者さんには、虫歯と歯周病が無く健康で、歯並びが綺麗で、きちっとケアーされた健康な、「少しだけ黄色がかった日本人らしい自然な歯を」自慢できるような、賢明な紳士淑女であって頂きたいと思います。