健康増進課のO様、本当に有難う御座いました。

65歳以上の高齢者と医療従事者は優先的にコロナワクチンの接種を受ける事ができるそうで、有難い事に歯科医院も対象にして頂ける事になっているそうです。

今回、三田市の健康増進課から「書類を取に来い」と言われて、「郵送してくれたらいいいのに。」と思いつつ役所に行って来て、自分の認識の甘さに気が付きました。

市が確保できるワクチンの数が限られており、余るほどある訳では無く、それを注射する医師や看護師の確保や、ソーシャルディスタンスを確保できる接種会場の整備など、平時では考えられないような「臨機応変の対応」を求められているようで、大変な状況でした。現場で真摯に対応して下さったO様には「頑張って下さい」と告げてその場を去りました。O様は「有難う御座います。」と返事して下さいました。

現場はまさに戦場のような感じで、薬の不足していた昔の野戦病院がこんな感じだったのかな?なんて思いました。野戦病院と言えば、私の叔父は衛生兵としてルソン島で戦死しているのですが、マラリアにかかった友人に自分の分の薬(血清)を与えたために、その後自分の分が無くて高熱で苦しみながら死んだそうです。これは、その時助けた方が無事帰還され家まで報告に来て下さって解った事なのですが、その時に叔父の亡骸からあるものを形見として持ち帰って来てくれて渡してくれたそうです。それは所持金と銃弾だったそうです。人間極限状態になると自己防衛本能が働きます。命の恩人の遺体からお金と弾薬だけ取り上げて逃げ続けたこの方を、誰も醜いと責める事は出来ないでしょう。もう2度と戦争はしたくないものです。

話を戻します。実は私は今回はワクチンを受けない事にしました。そんなにワクチンが不足しているなら歯科では無く医科系の医療従事者と65歳以上の高齢者、そして免疫能の低い人(体の弱い人)に行き渡った後に再考しようと思ったからです。

こんな書類があれば優先的に接種してもらえるようです。高齢者の方も発行してもらえると思いますよ。

英保歯科のスタッフは全員接種を希望しました。スタッフの安全確保の責任がある院長としてはその方が有難いのですが、問題は「いつどこで受ける事ができるか?」だったのです。もう市が確保しているワクチンは底をついており、O様の説明では「自分でどこかやってくれる病院を探して下さい。」という事でした。これもまさに戦時中の混乱を想像させる状態でした。

翌朝「三田市のホームページに掲載されているワクチンをやっている医療機関に手当たり次第問い合わせて、自分で探すしかないようだ。」とスタッフ全員に説明している時に一本の電話が鳴りました。

スタッフ:「先生、健康増進課のO様からです。英保歯科のスタッフの全員が受けられる病院を探して下さったそうで、指定の日の指定の時間に全員が行けるかどうか、今すぐ返事が欲しいとの事です。」

私:「O様は信じられない程の努力をしてくれているよ。スタッフ全員万難を排して行って下さい。O様には全員行かせて頂きますと返事して、重々お礼を言っておいて下さい。」

スタッフ:「わかりました」

O様、本当に有難うございました。そうそう、こんなニュースも舞い込んできましたよ。

兵庫県三田市長が高齢者接種開始前に接種 兵庫県三田市の森哲男市長(69)が一般高齢者向けの接種開始前に新型コロナウイルスワクチンを接種したことが13日、分かった。市によると、医療従事者向けのワクチンが余ったため接種したという。

ワクチンが余ったなんて本当かな?余るほど無いような感じだったぜ。堂々と「市長として責務を全うする必要があるために優先的に打ってもらった」で良いじゃないですか。ねェ、三田市の皆さん。どう思われます?