健康保険の等級化-悪夢か正夢か


国民皆保険制度が限界になってきており、医療費の削減が急務です。若者は「年寄りばかりが医療費を使って不公平」と思っています。

そこで、本当に起こりそうな事かもしれないのですが、健康保険の「等級化」について考えてみました。危険そうな車を買って危険な運転をする人は保険料が高くなるという、自動車保険の「何等級」を健康保険に応用するのです。

難病奇病は別として、生活習慣病は自己責任と考えると、乱れた生活の人は保険料も多く払ってもらおうというのは、冷酷すぎるくらい理にかなった意見かも知れません。

スマホ決済によって国や企業が個人のビッグデータを収集すれば、あなたがどこで何を買ったか・何をしたかが「丸裸」になってしまいます。

スマホの操作が始まった時間があなたの起きた時間、止まった時間が寝た時間です。アプリを作れば、毎日早寝早起きの規則正しい生活をしているかどうかがわかります。
お店のPOSと連係するアプリがあれば、スマホ決済しただけで、お店でどんなお肉や野菜を買っただけでなく、どんなお菓子や飲料を買ったかまで記録されます。
タバコやお酒をどの位買ったかもわかります。
スポーツクラブに真面目に行っているかどうかもわかります。
毎日の体重や体脂肪の測定結果、年1回の血液検査の結果なども吸い取られてしまいます。
位置情報を常にオンにしていれば、ジョギングや散歩の習慣があるかなどもわかりますね。
最近は日本でも梅毒などが猛威を振るっていますが、感染の危険性のある所に出入りしていたかどうかもバレちゃいます。
喫煙可能な居酒屋にしょっちゅう出入りしているのもわかります。そこに何時まで居て、何を食べて、何を何杯飲んだかまで把握されます。
これらの要素で保険の等級が決まって、保険料のランクが変わるのです。

歯医者に行った回数や、フロスを買った回数や歯ブラシを交換した回数なども記録されますよ。
歯医者に4か月毎に年3回だけ行く人と、悪くなった時だけ集中して数回通い、フロスの購入履歴が無い人とでは、保険の等級が当然のように区別されるでしょうね。

本気でビッグデータを収集すればこの程度の事は簡単でしょう。

私はスマホ(決済による)ビッグデータ収集はインターネットの出現と同じくらい「人間を追い込む」出来事になるのではと想像します。

企業の健康管理組合が従業員のビッグデーターを収集して、個人や家庭の健康管理状態を明確化・等級化して保険料を決めるなんて時代が、私はそのうち来そうな気がします。最近は「何でもお金の価値に換算・お金の損得勘定で判断するのが当たり前」のようにな感じになっていますから。

ホリエモンも前澤氏も立派な成功者で、学ぶことが多いですが、「経済的勝者が善」という哲学が根底にあるように思えて好きになりきれません。

個人的には、スマホ決済は日本でなるべく普及しない方がいいなと思っています。皆さんはどうですか?もうしばらくはアナログで過ごしたい気がしますが。